まわりのひとびと

気になる周囲の人々のこと。時々、脱線。

不動産屋の男

 大学2年で寮を出てひとり暮らしをする時に、先にひとり暮らしをしていた友達に紹介してもらった不動産屋で住まいを探した。
 無事に住まいを見つけ、家具を入れて引越しも終えたある日、不動産屋の担当者(20代)が確認に来た。今思えば、契約が終了し鍵を受け取った時点でモロモロのことは終わったはずだから、担当者が物件に来る必要はない。
 彼は玄関先で事務的な話をして、帰る時に
「よかったら、つきあってください」
と言った。
 全くそんな目で一瞬も見たことがなかったので、もちろんゴメンナサイをした。
 昔の話だが、今の時代個人情報保護法で守られていることを考えれば、完全にアウトな行為だ。不動産屋は、わたしの本名も住所も知っていてスペアキーも会社で持っている。
 その当時いたいけな?19の女子大生だったわたしは、しばらくは怖かった。ストーカーの要素のないような人に見えたから何もなかったが、悪い人だったらと考えると恐ろしい。ただ、彼は1つの出会いとして単純に一目惚れをしてくれただけなのだと思う。

個人情報を安易に手に入れることができる職種に就いている人はそういうことはしないだろうという性善説の元に、人びとは暮らしている。
まさかそんなことしないよね?と信じるしかないのだ。