まわりのひとびと

気になる周囲の人々のこと。時々、脱線。

電車の中の老人

いつも使う路線でのこと。

平日の昼間、電車内は混んでいなかった。空席もあり、立っている人もあり。

とある駅から乗ってきた、80代とおぼしき男性のご老人。優先席に座る20代の男の子の前に立ったかと思うと
かくしゃくとした大きな声で
「すみませんが、わたくし、オントシ83歳!席を譲っていただけませんか!」と車両に響くように言った。

席が空いているのに優先席に座っている男の子も男の子だが
席が空いているのにわざわざ男の子をどかすご老人もご老人だ。
ガラガラなのに男の子をどけたご老人、更に数分後、大きい声で「携帯電話を使うのを辞めてくれませんか!」と言った。
優先席ならではの守られるべきペースメーカー等の事情があったのかもしれない。
(しかし、昨年、総務省が「携帯電話がペースメーカに影響を及ぼす可能性は限りなく低い」という指針案を発表した。
それにより関西から始まりJR東日本等、優先席での携帯電話の使用を認め始めた。(混雑時を除いて))

文字にすると上手く伝わらないが
お願いというよりも命令口調だった。

なんだか、ルールを守らない若者を成敗してやったぞという感じだった。
青年は、満席なのに老人に席を譲らなかった非情なヤツだったわけではない。
車両はガラガラで座るところはたくさんあったのに悪者にされてしまったのだ。
その場にいたたまれなくなってしまった青年がなんだかかわいそうに思えた。


また、別のある日、
平日の昼間、車両はすいていて空席はたくさんあった。今度は70代くらいのご婦人。優先席もそうでない席も空いていたので老婦人は座った。駅2つほどのところで降りる間際、またまた、大きい声で向かいに座る青年に
「ここはお前の座る場所じゃないんだよ!」と前フリもなく言い放って降りて言った。
言われた青年はただただびっくりするのみ。何か老婦人に気に障ることをしていたようには思えない。


短い期間に2度も似たような場面に遭遇したので、優先席についてネットで色々調べてみたら、さまざまな意見があった。

空いていたとしても優先席には座るべきではない。
という人もいれば
優先席は「譲るべき席」であって専用席ではないから空いているときは座ってよい。
という人もいる。

体の不自由な人、年配のかた、妊婦さん、が立っているのに譲らないというのは言語道断で、そういう人たちには優先席だろうとそうでない席であろうと、譲るのが当たり前なのである。
席の種類など関係ない。

確かに混雑時に優先席に座るそれら以外の人が多く怒り心頭なのは理解できる。
譲る方としてもかなり、神経を使う。
お年寄りに見えるけど、本人は老人扱いされたくないかも、若白髪かも…
お腹大きく見えるけど太っているだけかも…(あのマークをつけていてくれればわかりやすい)
逆に見た目は健康に見えるけど実は具合が悪いから座らせて…という場合もある。
譲る方も譲られる方も難しい。

成敗されてしまった彼らは、間違っていたのだろうか?ガラガラの車両で座るべきではなかったのだろうか?電車で辱められるほどひどいことをしたのだろうか?